大阪経済大学図書館の魅力と、コロナ禍での取り組みを紹介します。
【大阪経済大学の紹介】
大阪経済大学は、「自由と融和」を建学の精神に、ここ商都大阪で、
社会に貢献する“人財”を育成することをミッションとしています。
大阪の中心に位置する都市型のキャンパスでは、授業はもちろん、ゼミや課外活動、就職活動に、
学生たちが日々生き生きと取り組み、「大経大プライド」を育んでいます。
【図書館の紹介】
大阪経済大学図書館は2012年にリニューアルした比較的新しい建物。
蔵書数は約56万冊、雑誌は約8千タイトル所蔵しています。
建物は地上3階、地下1階建てで、地下は2つの書庫になっています。
図書館東側の地下がコンテナ式自動書庫となっており、43万冊収納が可能です。
図書館西側の地下は可動式の電動式書架が並んでいます。図書館が所蔵する雑誌の
バックナンバーや本学の研究所が所蔵する資料が保管されています。
コンテナ式自動書庫 電動書架
【主なイベント】
◆図書館ツアー(4月)
主に新入生を対象に行う図書館探索ツアー。
図書館内を見て回ったり、OPACでの本の検索実習を行います。
普段は入ることのできない地下書庫も案内しています。
※今年度は新型コロナウィルスの影響で9月に実施。
人数制限(1グループ3人まで)、実施回数・期間を増やして
参加者を分散させる等、対策を取りました。
◆学生選書(5月 / 10月)
図書館エントランスに並ぶ約600冊の本の中から、1人10冊、図書館に
入れる本を学生に選んでもらいます。選書した本のうちの3冊について、
おすすめ理由などを書いた小さいPOPも作成してもらいます。
そのPOPの人気投票を行い、一番人気のPOPを書いてくれた学生には
「うーぽん大賞」という賞を授与しています。
※今年度は新型コロナウィルスの影響で10月のみ実施。
選書する学生と見学者が密にならないためのブックトラック
の配置、選書時間を事前予約制にして人数を管理するなどの
対策を取りました。
◆ビブリオバトル(6月頃 / 12月頃)
本学図書館では年2回、学内のカフェでビブリオバトルを
開催しています。全国大学ビブリオバトル地区予選を兼ねており、
本学学生が全国大会で、一昨年度は決勝戦進出、
昨年度は準決勝進出を果たしました。
※今年度は新型コロナウィルスの影響で7月にオンラインで実施。
詳細については下記【コロナ禍のビブリオバトル】をご覧ください。
◆読書ラリー(9月~12月)
期間内に本を7冊読んで、スタンプを集め、2冊分の短いレビューを
書いて提出。提出してもらったレビューは冊子にまとめて、図書と
一緒に展示しています。
展示の様子 冊子は自由に持ち帰り可能
◆ゼミガイダンス(春学期 / 秋学期)
ゼミガイダンスとはゼミ単位での図書館ガイダンス(館内案内、OPAC・データベースの説明)です。
春学期:主に新入生を対象とし、初歩的な図書館の使い方をメインとした内容
秋学期:主に2~3回生を対象とし、レポート作成におけるOPACやデータベースの利用方法を
メインとした内容
※今年度は新型コロナウィルスの影響で秋学期のみ実施。
春学期の内容も選択可能にし、密を避けるため内容に応じて図書館外(PC教室)でも
ガイダンスを行う等、対策をとって実施しました。
◆ライティングセミナー(春学期 / 秋学期)
大学生が書くべきアカデミックなレポートとは?
なにから始めれば良いの? 「引用」って?
など、レポート執筆の基本的なことがらについて、
図書館の蔵書を使いながら説明するセミナーです。
※今年度は新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて、
過去のセミナー内容をまとめた動画を作成し、
e-LearningのコンテンツとしてWEB掲載しました。
【主な展示】
◆まいにち本CARD
まいにち本CARDとは、2017年度に図書館学生サポーターを中心とした学生、教職員、
図書館で企画・開始した「新しい本の展示方法」です。その月の毎日にちなんだ本を
カレンダー形式で展示します。
(カード表) (カード裏)
◆テーマ展示
年4回、四季ごとにテーマを設定しています。
9月からの展示は「教職員おすすめ本」と「統計学」がテーマです。
◆映画・ドラマ原作本
映画・ドラマの原作小説を展示しています。
最新の映画・ドラマ情報を収集し、定期的に内容を更新しています。
◆本屋大賞
書店でおなじみの「本屋大賞」で選ばれた本を展示しています。
年間を通して貸出中の本が多く人気のコーナーです。
【図書館報】
図書館報「としょかん」は年2回、春(4月)と秋(10月)に
発行しています。図書館報の表紙・中身のデザイン、記事作成、
編集は図書館学生サポーターが中心となっておこなっています。
過去の図書館報はこちら
【図書館学生サポーター】
図書館学生サポーターとは、大阪経済大学図書館で活躍してくれている
学生ボランティアスタッフです。ビブリオバトルの運営、
図書館報「としょかん」の企画・編集をメインに活動しています。
ビブリオバトルの運営風景
サポーター会議(ビブリオバトルリハーサル)の様子
【コロナ禍の図書館】
・新入生オリエンテーションの中止
⇒毎年春の新入生オリエンテーション期間中に、スライドを使って図書館オリエンテーションを
行っていましたが、今年度はオリエンテーション中止に伴い、新入生向けの資料作成・配布に
変更しました。
内容:開館カレンダー(裏面はMAP)、図書館アンケート(裏面はクイズ)、
図書館案内資料(※内容の一部をPDFで上部に掲載しています)、
図書館学生サポーター募集チラシ、図書館報「としょかん」、図書館利用ガイド
また、春学期の対面授業中止で大学に来られなかった
新入生に図書館へ足を運んでもらうため、新入生向け
図書館クイズを作成。内容は同封の利用ガイドを
読めば分かる問題と、実際に図書館に足を運んで
解答を探す問題を作成しました。
クイズに正解し、アンケートに答えると
図書館オリジナルグッズがもらえるくじが引ける特典付きです!
・感染拡大防止のためのポスター作成、消毒液の設置、返却本の消毒
館内に感染拡大防止を呼び掛けるポスターの作成、
検索端末付近や雑誌・新聞コーナー付近等、
合計11ヶ所にアルコール消毒液を設置しました。
返却された本もすべて消毒を行っています。
・三密対策
三密を避けるため、閲覧席を間引きました。
819席ある閲覧席の数を約半分に減らし、
利用不可の席に貼り紙を貼り、椅子を片付ける
などの対策を行いました。
グループでの活動利用を目的としたグループ学習室は
通常は2部屋に仕切って使用できますが、
感染拡大予防措置として仕切りなし・最大12人
までの利用に制限しています。
・自動貸出機利用の促進
非接触での貸出を目的として、自動貸出機の利用を案内。
利用者が画面に触れるのを避けるため、
鉛筆の消しゴム部分をタッチペン代わりに使用。
鉛筆は利用後スタッフが消毒します。
・貸出郵送サービス
新型コロナウィルス感染拡大予防のため、利用者が図書館に来館せずに借りたい資料を
利用できるよう、資料を自宅まで郵送するサービスを行いました。
(期間:2020年5月15日~6月14日、6月22日~9月18日)
貸出郵送サービスの様子 梱包された資料
【コロナ禍のビブリオバトル】
大阪経済大学図書館では毎年2回、ビブリオバトルを開催していますが、
今年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、オンライン(Microsoft Teams)で開催しました。
【イベント開催に向けて】
テレビ会議・通話の経験のあるスタッフが少なかったため、カメラ動作の確認・バーチャル背景の
変更方法など、まずはTeamsの機能の学習から始めました。
オンラインならではのハウリング問題(同室内でスピーカー状態で通話を行うとハウリングが
発生する)、ビブリオタイマーの共有方法、質問・投票の受付方法等、様々な課題がありました。
【課題に対しての対策】
・ハウリング問題⇒スタッフ全員が別室に分かれてしまってはビブリオバトルを運営できないので、
各自ヘッドホンを用意し、十分に距離の取れる広い部屋で
ソーシャルディスタンスを保ちながら行いました。
・ビブリオタイマー⇒画面共有でタイマーを映してしまうと発表者が映らなくなる可能性があるので、
タイマーを司会者のカメラに映しました。
ハウリング防止のためヘッドホンを使用 ビブリオタイマーは司会者のカメラに表示
・質問タイム、投票について
⇒質問タイムはTeams内のチャットを使用。投稿された質問を司会者が読み上げる方式にしました。
投票についてはOffice365のFormsを使用。ひとり一票に設定すると学外者は投票できないため、
学外からの参加者には予め投票用メールアドレスを告知しました。
【実際に行ってみて感じたこと】
・最大9分割画面(2020年7月当時)の画面操作の難しさ
⇒参加者全員が同一の画面を見ているわけではないので、きちんとバトラーやタイマーの
映像が各自の画面に映っているのか不安。
・バトラー、観客側の通信環境に差があるので、音声が途切れるなどのトラブルが発生しやすい。
⇒今回はオンライン用ルールとして「発表参加者側の通信環境が原因で発表・ディスカッションが
中断された場合、原則、発表・ディスカッションのやり直しは行わない」ことにしました。
【まとめ】
開始時間にバトラーが揃わない等、予想外のアクシデントは発生しましたが、概ね予定通り
イベントを進行させることができました。
運営スタッフとして参加してくれた図書館学生サポーターは、初めてのオンラインでの
ビブリオバトルにも関わらず冷静に対応し、スムーズに進行を務めてくれました。
開催報告はこちら
【最後に】
今年度は新型コロナウイルスの影響により予定していたイベントが中止となったり、
イベントの開催時期が後ろ倒しになったりと、予想外の出来事が続きましたが
臨機応変な対応でこれからも日々努力を続けていきたいと思います。