アルバイト学生が語る!三康図書館の魅力
来館者数が例年の約10倍と飛躍的に増加し、注目を集めている専門図書館・・・
10月24日・25日、パシフィコ横浜で職員とアルバイト(学生)がポスター前にいます。
ぜひポスターを見に来てください。ポスターのなかだけでなくリアルでも語ります。
★ご来場いただきました皆様、ありがとうございました(2023年10月26日追記)
★ポスターを作成したアルバイト学生の感想
今回図書館総合展にポスター制作という形で参加させていただき、
当日、実際に図書館総合展の会場に伺って、
また、
図書館総合展に参加したことで、
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2023年9月1日 三康図書館リニューアルオープン
2022年度に例年比10倍の来館者数を叩き出し、各方面から講演依頼、講師依頼が殺到。Library of the Year2023では公共・大学・学校図書館がひしめくなか、第二次選考まで進んだいま最も注目を集めている専門図書館、それが三康図書館。
何をどのようにリニューアルしたのか・・・その一部をご紹介しましょう。
*以下、実話をもとに一部再構成し脚色を加え、編集したものとなります。
第1話 閲覧室を覗いて踵を返す人たち
*2023年6月までの三康図書館閲覧室の書架の様子
これまでの三康図書館の閲覧室は、三康図書館設立以降に収集した資料(新刊書と呼んでいます)を配架していました。
ところが、旧大橋図書館(1902-1953)の蔵書約18万冊を引き継ぐ三康図書館では、利用者の多くはこの引き継がれた古書資料を求めて来館されます。
なぜ、閲覧室に古書資料を配架できないのか・・・
三康図書館の建物の条件から、湿度管理ができる書庫内に古書資料を配架しなければいけない制約があります。そのような理由から閲覧室には新刊書のみ配架していました。
利用頻度の高い古書資料は書庫のなか。閲覧室に並ぶ資料は新刊書のみ・・・。
初めて三康図書館を訪れる方のなかには、閲覧室を覗いて、
「なぁーんだ、どこにでもある本がちょこっと並んでるだけなのか」
と踵を返す方が続出。
帰ろうとしていた人を呼び止めて、
「何かお探しですか?」と尋ねると、
「古い児童書があると聞いていたのですが、見当たらなかったので・・・」 とのこと。
慌てて、「書庫のなかにたくさんあります!」とお伝えして書庫見学へ誘導、ということもありました。
三康図書館がどんな図書館なのか知らない人にとっては、閲覧室を覗いただけでは魅力が伝わらない。三康図書館職員たちは悩んでいました。
第2話 閲覧室とロビーの床タイルをカーペットに⁉
*2023年6月までの閲覧室の様子
そんな日々を送っている三康図書館職員に転機が訪れます。
三康図書館のロビーと閲覧室の床材(Pタイル)に、レベル3のアスベストが含まれていることが調査で判明しました。
そして、床材の破損や劣化も多く、タイルカーペットに張り替える工事を行う話が持ち上がりました。
図書館も2か月余り休館せざるを得ない事態です。工事期間中は閲覧室書架の資料を一時的に移動させなくてはなりません。
「(*゚ロ゚)ハッ!! 閲覧室書架の配架構成を一新するチャンスではないか!!」
ピンチをチャンスに変える発想を三康図書館職員全員が持ち合わせていることから、一瞬で全員がこの好機に気づき、工事の段取りを整え、準備に入るのでした。
第3話 資料をダンボールに詰めて書庫内に移動させる(筋肉痛との闘い)
*資料移動後、処分されるのを待つ閲覧机と椅子
閲覧室にあった資料を工事が始まるまでにすべてダンボールに詰め、書庫内に移動させるというタスクに直面する職員一同。
「あ、これ詰んだわ」
「これだけの量の資料を配架させるなんて、公共図書館勤務時代を思い出すなぁ」
と、つぶやいた人がいたとかいなかったとか・・・
ただひたすらに、がむしゃらに資料をダンボールに詰めまくる日々を終え、どうにか工事開始を迎えることができました。
さらに、閲覧机と椅子も新調することにしました。
この机と椅子(上記写真)、めちゃくちゃ重くて動かすことを全く想定していない、フリーアドレスの対極にあるような、時代に取り残された代物で、イベント開催のたびに職員が苦労して動かしていたのです。
もちろん、長年使用してきた机と椅子に愛着を持つ職員もなかにはいます。
「別れがさみしい気もしますね」
と呟く職員に対し、閲覧室リニューアル作業のリーダーは、こう答えました。
「三康図書館の閲覧室机と椅子としての一定の役割を終えたと総合的に判断しました」
・・・
「(どこかのテレビ番組終了のお知らせで聞いたような文句だなぁ)」
第4話 思わぬ発見 カード目録の箱ってそんな風になってるの?
*工事に備え、ロビーにあるカード目録のケースも移動させます
床のタイルを剥がすため、カード目録のケースも移動させます。工事会社の方に移動してもらいました。
(上の写真を見て)
「えええええええええ、はずれるのぉーーーーーーーーーーーー!」
カード目録の箱が写真のように一段ずつ取り外しが可能だなんて、三康図書館職員は知りませんでした。これには最年長の職員も驚きの声をあげました。
このカード目録ケースを設置した当初を知る人がいない職場ですから・・・こういうこともあります。
第5話 何もない閲覧室(〇〇も撤去することに)
閲覧室書架の資料を全て運び出したところで、
「これも要らないよねぇ」
「古いし汚いし・・・」
という声が出始めます。
そう、
窓際の低層書架!
リニューアルついでに汚れた壁も床もきれいにしてもらいましょう。
第6話 カーペットを敷く
カーペット、綺麗~~✨
ほら、窓際の壁もきれいになりましたでしょ!
と歩き心地も良い新品のカーペットに狂喜乱舞する職員一同。
(資料を戻す作業、忘れていないか?)
第7話 資料を戻す(同じじゃないよ)
さて、第2話で紹介したアイデア「配架構成を一新する」についてです。
(復習)
✓これまでの閲覧室には、さほど利用されない新刊書ばかり並んでいた(単なる新刊書の置き場所)
✓よく利用されるのは、書庫内にある古書資料
✓古書資料は閲覧室に配架できない
さて、何を思いついたのか。
『書庫内の資料を紹介するパネルを設置して、閲覧室に入っただけでどんな資料があるか一目瞭然の閲覧室にする!!』
こんな感じです。いかがでしょうか。
机と椅子はこんな感じで新調しましたー!
最終話
リニューアルオープン後、閲覧室書架の資料紹介パネルをじっくり眺める方が増えました。
なかには、パネルを受付に持ってきて閲覧を希望される方もいます。
狙い通り!!
大学の先生方の協力のもと、書庫見学ツアーの開催にも積極的に取り組んでいます。
大人気の書庫見学は、事前予約制ではありません。
10月24日、25日にパシフィコ横浜でお会いした来場者のみなさまも、「書庫見てみたい」と仰る方がたくさんいました。ぜひ一度、三康図書館へご来館ください。
職員一同、皆さまにお会いできる日を楽しみにしております。
end