東京大学「文化資源としての書物」履修生によるポスター発表

 タイムトラベル 青洲文庫展  1923 ⇔ 2024

 

東京大学「文化資源としての書物」履修生によるポスター発表です。図書館総合展を通じて資料が集まり、たくさんの励ましを頂いたおかげで、3年間にわたって震災復興と図書疎開の調査をつづけることができました。2024年は、「青洲文庫」が東京大学附属図書館に譲渡されてちょうど100年になります。2024年は総集編として、山梨県市川三郷町で開かれた100周年記念「青洲文庫展」を中心に、履修生による旅の記録をご紹介します。

       タイムトラベル 青洲文庫展:震災復興と図書疎開

 

東京大学附属図書館は、1923年の関東大震災で蔵書の大半を焼失しました。震災後、各地から寄贈本が届き、図書館は復興することができました。私たち「文化資源としての書物」を履修する学生は、図書館中央の「大階段」​​​​​​を上り下りしながら、図書復興に関する資料を探索してきました。山梨県市川大門(現、市川三郷町)の青洲文庫から3万冊が譲渡されたのは、震災翌年の1924年のことです。青洲文庫の書庫蔵は、戦時下の図書疎開先になったことでも知られています。渡邉家は紙問屋を営みながら本を蒐集し、1900(明治33)年に青洲文庫の蔵を建てました。本が広く読まれることを願い、図書室のように一般開放したといわれています。1924年に譲渡された『源氏物語』(2種、各54冊)は、東京大学附属図書館HPから閲覧することができます。(青洲文庫『源氏物語』A00:6587、『源氏物語』A00:5823)

1985(昭和60)年に青洲文庫の蔵は解体されました。しかしながら、蔵の跡地には碑が建てられ、町の人にとっての大切な記憶として語り継がれています。2024年10月20日から31日まで、市川三郷町では100周年記念「青洲文庫展」が開かれました。

主催:青洲文庫実行委員会、共催:市川三郷町教育委員会、NPO法人是空、協力:市川三郷町、山梨県立博物館、東京大学文化資源学研究室、山梨県立青洲高校、山梨中央銀行市川支店、渡邉家子孫、後援:山梨県、山梨県教育委員会、朝日新聞甲府総局、産経新聞甲府支局、毎日新聞甲府支局、山梨新報社、山梨日日新聞社、読売新聞甲府支局、NHK甲府放送局、テレビ山梨、日本ネットワークサービス、山梨放送、エフエム甲府、エフエム富士                               

市川三郷町生涯学習館(ifセンター)で開かれた展示には、青洲文庫ゆかりの作品が並び、27日には山梨県立青洲高校で記念講演が行われました。「文化資源としての書物」履修生も登壇し、終了後に高校生の皆さんとお話できたことは大変有意義な時間でした(青洲高校の皆さん、ありがとうございました!)

  旅日記ファイル

Document

 

3年間ありがとうございました。図書館総合展を通じて、ご関心を寄せてくださった皆さまに心よりお礼申し上げます。

 

東京大学「文化資源としての書物」履修生(担当教員:文化資源学研究室 野村)​

 

 

 

担当者
東京大学文化資源学研究室