横浜市立大学図書館の学生ライブラリスタッフ、通称「学生LS」です。

横浜市立大学 学生LS

学生ライブラリスタッフと企画立案

横浜市立大学・金沢八景キャンパスの図書館、学術情報センターにおいて学生ライブラリスタッフ(通称:学生LS)が携わった企画について、学生LS自身の目線からご紹介します。

 

学生ライブラリスタッフとは何か?

 

横浜市立大学学術情報センター(以下学情)では、学生ライブラリスタッフ(以下学生LS)として学生がボランティアとして活動しています。 

 学生LSは、約15人のメンバーが学生向けの学修相談に取り組むほか、大学祭や新学期、あるいは平時の図書館に向けて企画立案を行っています。 

 本展では、2023年から2024年の複数の企画立案に注目して「どのような思い・考えを持って学生LSが活動しているのか?」を紹介しています。


 

 

展示企画について

 学生LSでは、多くの展示企画を行っています。数ある展示企画の中でも新入生を対象にした企画を紹介します。

 

1.パソコンスキル駆け込み寺

新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、全国の大学においてデジタル化が進みました。横浜市立大学でも、ノートパソコンが必携化されています。しかし、いわゆるパソコンスキルは入試では問われにくく、新入生の間で大きなスキルギャップが存在しています。そこで、企画されたのが『パソコンスキル駆け込み寺』です。

本企画はパソコン関連の図書をピックアップして展示するというシンプルな内容ですが、目立つ場所に展示したこと・新入生の需要とマッチしたことで多くの貸出につながりました。

 

2.館内案内企画

学生LSには多数のスタッフが在籍していますが、図書館をより利用しやすくすることを目指して企画の立案を行っているスタッフもいます。図書館の利用者でもある学生目線だからこそ生まれた企画が多いことも特徴です。

そうした企画の中から、特に効果のあった『看板企画』と『利用案内』を紹介します。

 

①『看板企画』

学情ではレファレンスカウンターが目立たない場所にある、開架図書の多くがカウンターと別階にある等の理由から、メインカウンターへ相談に行く利用者が多く、開架やレファレンスカウンターの周知ができていないという問題がありました。そこで、目立つ場所に看板を設置することでレファレンスカウンターへの誘導を行え、学生LS等がいない時でも十分に利用できるような環境を整えることにつながりました。

②『利用案内の作成』

もともと館内案内のパンフレットは存在していましたが素朴なデザインで、必ずしもわかりやすい資料ではありませんでした。わかりやすいデザインを意識し必要な情報を的確に伝えられる利用案内を新しく作成しました。本資料は、学生LSのデスク活動時の資料としても大いに活用されています。

 


 

 

広報誌『少年LS』と『やみなべブックカバー』企画について

今では恒例となった企画『少年LS』『やみなべブックカバー』について、企画主催の経験者に向けてインタビューをしました。

 

1.広報誌『少年LS

Q.『少年LS』とはどのような企画なのか?

A.学生LSが不定期で年に23回程発行するリーフレットです。館内の貸出カウンター等A4二つ折りの物が配布されていて、web上にも掲載されています。直近のものは20244月ごろ発行され、図書館の利用方法についてクイズ形式で特集しています。

 

Q.『少年LS』はいつ/どういうきっかけで始まった企画なのか?

A.2009年度に学生LSの周知活動の一環として『学生LS通信』が始まったそうです。開始当初は職員主体でしたが、2010年度に学生LSの活動が学生主体になるとともに発行物も学生主体で作成することになりタイトルも変更されました。

 

Q. 『少年LS』の企画から発行までの流れは?

A.まず、発行時期から締切を決め、それに合わせて需要がありそうな情報をピックアップします。普段のレファレンスの内容や記事執筆参加者からのアイデアを参考にして、テーマを最終決定。記事の執筆をし、職員の方に校正依頼します。その後館内で配布及びwebに掲載という手順で制作されています。

 

Q. 『少年LS』はどのような効果があるのか?

A.学生LS自体や図書の周知活動としても効果的だと考えられます。例えば、オススメの図書を紹介する場合であれば、当該図書の貸出利用促進が考えられ、図書館の基本的な使い方・あまり知られていない使い方を発信することで、利用者に役立てられると捉えています。

 

2.『やみなべブックカバー』

Q.『やみなべブックカバー』とはどのような企画なのか?

A.タイトルや著者がわからないようにブックカバーで隠し、その本の一節をピックアップしてブックカバーに書き出し、それのみを本の紹介として貸出する企画です。

 

Q.『やみなべブックカバー』はいつ/どういうきっかけで始まった企画なのか?

A.2015年度に始まった『福袋』企画を元として、2018年度に始まった企画です。その場で複数冊借りることとなる福袋は持ち帰りが大変という意見があり、より借りやすく展示しやすい内容に変更するため始まりました。

 

Q.『やみなべブックカバー』の企画から展示までの流れは?

A. 企画開始の流れは通常通り企画書の提出から始まりました(学生LSにおいては、企画が始動する際は原則企画書を最初に作成しています)。企画書には、タイトルや実施日、対象者、開催場所、内容など企画に必要なことを書いています。しかし現在は、継続の企画であるため企画書の提出は必要なく、学生LSからの追加したいという要望や、職員の声掛けがあったら追加分を作成している状況です。

 

Q. 『やみなべブックカバー』はどのような効果があるのか?

A. 図書の著者や内容を知らない状態で図書を読み始めるため、今まで触れてこなかった新しいジャンルの図書を知る機会となる。実際、来館した学生利用者だけでなく、見学に来た高校生やそのご家族などが手に取っている姿をよく見かけます。

 また、貸出冊数に関しては直近2年間で13冊展示されていて、平均して8回以上貸し出されています。中には10回以上貸し出されている本もあるため、多くの人にとって新しい図書を見つけるきっかけになっているようです。

 


 

『新入生向け館内ツアー』について

 2024年4月頃、新入生向けの館内ツアーを計画しました。付随して、大学生の生活を紹介するため、時間割紹介資料を作成しました。館内ツアーと、時間割紹介資料を用いた新入生との交流を同時に行うことで、新入生の履修選択や図書館利用に活用したいとの狙いで、主に2年生5人が対応しました。 

 しかし、学生LSの出勤できる時間と、新入生の空いている時間が異なっていたようで、想定より少ない新入生を歓迎することになりました。 また、準備の過程で、資料の作成に時間がかかり、皆で協力することの大変さを身にしみて感じました。 

 この企画によって、館内ツアーに少しずつ慣れ、見知らぬ方とも積極的に関わり、企画においてどのように相手の満足度を高められるのか、考えるきっかけになったと思います。 


 

 

文化祭企画について

1.文化祭企画とは 

毎年11月初旬頃に横浜市立大学では文化祭(通称:浜大祭)が開催されます。それに合わせて、学生LSでも企画を行っています。 学情内を使用したクイズラリーや展示等を行い、学情を外部の方に知ってもらう大切な機会になっています。 

 

2.企画作成の方法 

企画がどのように作られているか、昨年の例を用いてご紹介します。 昨年は、学情内を周遊する謎解き企画を実施しました。これは、入口でご来館いただいた方に謎解き用の冊子をお渡しし、様々な謎を解きながら学情を回っていただく内容のものです。 

 

3.今年度の企画 

今年度は、学生LS個々人の得意分野とやりたいという気持ちを活かし、様々な企画を行います。 行う内容は以下の通りです。 

図書の紹介ポップの作成・展示

館内ツアー

③ガイドブックの作成  

   学情の魅力を外部の方にもしっかりアピールできるよう、全力で頑張っています! 

 


 

おわりに

以上のように、各学生LSの企画についての思いや考えを取材・執筆いたしました!学生主体の図書館PR活動を行う際などに、参考にしていただければ嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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対象
どなたでも
大学図書館関係者
学生スタッフ
イベントの有無
無し