〈図書館業務にも欠かせない,出版業界の話〉
〈内容紹介〉
図書館という現場で出版についての知見を手に入れれば,それがタテとなりホコともなって失点なく仕事を進めていける。図書館職にこそ必須となる出版についての知見を,わかりやすく平易に記した「図書館のための出版キイノート」シリーズ。
その最新刊『委託販売と流通コード』は,出版産業の基盤である物流網にフォーカスした一冊です。
具体的には,出版物供給ルートで卸売り商に相当する「取次会社」を軸に,受発注や在庫管理に使われている「流通コード」を取り上げ,一定期間内の返品を受け入れる「委託販売」という商慣習を説明しています
〈目次〉
⦿第1部 取次会社
1 取次会社は出版社と小売書店のあいだに立って出版物の流通を管理します。
2 取次会社はまた金融取引の「信用状況」についても見守っています。
3 小売書店は取次会社から出版物を仕入れて店頭で陳列・販売します。
⦿第2部 流通コード
4 ISBN(国際標準図書番号)は図書を識別する国際的なコード体系です。
5 バーコード=シンボルは読取り精度に優れ,識別能力が高く商品管理に適しています。
6 書籍JANコードは図書対象のバーコード=シンボルで日本独自の二段組みです。
7 雑誌の流通管理コードは商業雑誌と学術雑誌とに分かれて設定されています。
⦿第3部 委託販売
8 出版業界の委託販売は一定期間の返品自由という条件付き買取り仕入れです。
9 委託販売にはそれなりの利点があり,委託の期間は書籍と雑誌で異なります。
10 返品のルートは小売書店から逆に,取次会社を経て出版社へと戻ります。
11 注文品取引は小売書店からの注文発出を起点として注文品取引は買切り扱いで即請求です。
12 委託販売の課題は,返品率の高騰をいかに抑えるかにあり,責任販売制が提唱されています。
〈書誌事項〉
宮沢 厚雄 著
2022 年 8 月 8 日 刊行
ISBN978-4-88367-368-1
A5判 160頁
定価 1,760 円 (本体 1,600 円+税 10%)