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図書館でのボードゲーム企画と著作権

 

質問:高倉 暁大(熊本県立大学図書館、格闘系司書)
回答:井上 奈智さん(日本図書館協会著作権委員会)

近年、多くの図書館でボードゲーム企画が行われています。
図書館での運用にあたって「告知ポスターにボードゲームの画像を使っても良いのかな?」など、著作権的に気になる部分もありますので、日本図書館協会著作権委員会の井上さんに、色々と聞いてみました。
基本的な事柄のみですが、参考になると幸いです。

井上:私は専門家ではありませんが、図書館サービスにおける著作権について勉強を続けている立場から、一つ考え方を紹介します。

Q,ボードゲームを図書館で遊ぶのは問題ないですか?海外のボードゲームなどもあるのですが。
A,
著作権法上の権利の行使になりませんので、問題がないと考えられます。
海外の著作物も、この場合は日本の著作権法制で判断されますので、同様です。


Q,ボードゲームの箱を撮影した画像を企画のチラシに使用しても大丈夫でしょうか?
A,
所蔵しているボードゲームで貸出しのための利用なら、いわゆるオークション規定が使えると考えられます。
そうでない場合でも、軽微な利用になるため、基本的には問題になりにくいのですが、グレーとは言えます。
信頼関係がない状態なら、許諾を取って、そのやり取りの中でつながりを作るというのもよい手段かなと思います。


Q,「キャット&チョコレート」や「私の世界の見方」などで、お題カードを自作することに問題は無いでしょうか?
A,
文章の引き写しは著作権法違反になる可能性がありますが、別の内容であれば著作権法としては問題ないと考えられます。こういったゲームは、ブランクカードがあったりして制作側としても意図している場合もあります。


Q,汎用性が高く、どのゲームでも使われるようなコンポーネント(ダイスやポーンなど)だけを集めて広報用の写真を撮った。個々のゲームを特定するのは困難だが、許諾を得る必要はあるか。
A,
ありふれた表現は著作物でないとされるため、許諾を得る必要がないものがほとんどだと考えられます。


 

開催年
2020
主催
図書館とゲーム部