恵方は○観音!図書館から地元へ 図書館から図書館へ go toTRIP!

金シャチいただく名古屋城を中心とする尾張。

四方を守護するのは甚目寺、荒子、笠寺、龍泉寺の4つの観音様、人呼んで「尾張四観音」です。

そして、その近くには、規模も特色もそれぞれ違い、でもみな同じく、地元の人に愛されている、4つの図書館があるのです!

尾張四観音図書館リレーものがたり

尾張四観音図書館リレーポスターの修正版

〇はじまりは平成31年(2019年)、恵方は「龍泉寺観音」でした

名古屋市の守山区には、2つの図書館があります。守山図書館と、志段味図書館です。守山は昭和47年(1972年)開館、築48年改築なし、旧市街地に立つベテラン図書館(余談ですが、最近よく滋賀県守山市図書館への間違い電話がかかってくるらしい)。志段味は郊外のニュータウンに建つ、平成16年開館の新しい図書館です。そしていずれも、「ゆとりーとライン」という、全国唯一のユニークな交通システムの沿線にあります。

平成30年秋のある日、旧知の仲である守山図書館Yと、ゆとりーとラインSはまったり語らっていました。「来年は龍泉寺が恵方なんだってね~。だから図書館の郷土展示で『尾張四観音』やろうと思って」「え、そうなの?ゆとりーとライン、クイズラリーやるんだけどポイントにならない?」「なるなる!志段味図書館もきっとなってくれるよ!」…龍泉寺観音「尾張四観音」の一つで、古刹であり、ゆとりーとライン沿線髄一の観光地です。節分には、名古屋だけではなく近隣各地からから沢山の人が押し寄せます。

「尾張四観音」って?

名古屋城を中心に、東北東の龍泉寺観音(名古屋市守山区龍泉寺)、西南西の荒子観音(名古屋市中川区荒子町)、南南東の笠寺観音(名古屋市南区笠寺)、北北西の甚目寺観音(あま市甚目寺)の4寺を謂います。

古く江戸時代より、「初観音」の日に、その年の福をつかさどる歳徳神(年神様)のおわす「恵方」の観音に御参りするのが習わしとなっており、それが、今日の節分の「恵方参り」に結びついたと言われています。恵方は十干に基づいて決められており、笠寺→甚目寺→笠寺→龍泉寺→荒子、と5年で巡ります。

「名古屋の年中行事『恵方参り』」(鶴舞中央図書館展示解説シート,2009)

尾張四観音と恵方参り(笠寺観音HP)

さて、平成31年の恵方は、龍泉寺観音でした。郷土コーナーの展示企画を進めるうちに、Yはふと気付きました。

◇四観音の近くに、図書館も4つあるじゃん!

しかも偶然にも?日ごろから、地域の特色に合わせた活動を展開している、個性豊かな図書館ばかりです。これを紹介しない手はないな…でもって、展示をリレーできたらもっと面白そう!…ということで、4図書館を巻き込んで、この「尾張四観音図書館リレー」がスタートしました。

最初の年は、「尾張四観音と近くの図書館」展示、「ゆとりーとライン沿線スタンプラリー」(守山・志段味図書館参加)、名城大学歴研による「節分イベントin守山図書館」が行われました。

守山図書館展示とイベント「今年の恵方は龍泉寺!尾張四観音と恵方参り」

(おまけ)図書館総合展2019フォーラム「図書館×城・郷土資料de地域再生」でもちょこっと紹介守山図書館にある守山城(徳川家康の祖父清康の殺された城)復元模型

☆龍泉寺観音にいちばん近い名古屋市志段味(しだみ)図書館のご紹介!

平成16年、名古屋市19番目の図書館として、志段味支所管内に開館しました。実用書、読み物、児童書を中心に所蔵しています。小さな図書館ですが、館内の展示に力を入れて、利用者のみなさんに本との思わぬ出会いを提供したり、近隣の施設や書店に出向いていって、普段図書館を利用していないみなさんに、図書館を知ってもらうようにしています。

Yからひと言:平成25年度から、名古屋TRCグループの指定管理館です。毎年の名古屋市図書館窓口アンケートで、「とてもよい」の%がいつもトップ。小規模館ですが、とても多彩な活動をしています。F館長、紹介文ありがとうごさいました。

 名古屋市図書館HP 同 志段味図書館紹介ページ 志段味図書館twitter

〇令和2年(2020年)、恵方は「荒子観音」でした

展示のバトンを引き継いでくれたのは、名物司書のS係長です。中川図書館は開館以来地域情報の発信に力を入れており、荒子観音と、荒子ゆかりの「円空仏」を彫る「木端(こっぱ)の会」の皆さんの作品を展示する「円空仏コーナー」もあります。

じわじわとcovid19の影響の影が忍び寄る中、関連図書の展示を行ってくださいました。

☆荒子観音にいちばん近い名古屋市中川図書館のご紹介!

昭和45年6月20日、松葉公園内に開館。平成14年11月1日、現地に移転開館しました。荒子観音で活動する「円空仏彫刻木端の会」作成の円空仏や円空仏関連資料を集めた「円空コーナー」、荒子城主前田家関連の資料を集めた「前田利家コーナー」などがあります。

Yからひと言:開館50周年おめでとうございます!高い吹き抜けと書架照明の美しさを利用した「ナイト・ライブラリー」、いまや全館に広まった高齢者向け「音読教室」、区役所等と連携しての災害マップやブックリスト作成など、常に名古屋市図書館の先端を行っています。

名古屋市図書館HP 同 中川図書館紹介ページ

認知症になっても、自分らしく生きられる社会へ!(ブックリスト)

〇令和3年(2021年)、今年度(来年)の恵方は「笠寺観音」です

名古屋市南区は、地域地域のバラエティの豊かさが魅力です。江戸時代の新田開発・明治の港湾整備・現代の工場企業の発展を担ってきた湾岸地区、江戸期には「あゆち潟」の名で知られ、東海道が通り、現在では名鉄、JR、国道1号線等交通インフラの要である中間地区、そして古くは「松炬嶋(まつこじま)」と呼ばれ、「笠寺観音」に代表される寺社群、巨大環濠集落跡「見晴台遺跡」のある笠寺台地。

南図書館から笠寺観音までは徒歩20分。covid19流行下で遠出はままならない今、地元のプチ旅・JIMO-TRIPにはぴったりです。そして、笠寺のまちといえば、「かんでらmonzen亭(笠寺まちづくりの会)」さん。笠寺観音内でのフリーマーケットを始め、とにかく多彩な活動を展開!図書館でも「かんのん新聞」の配布、「みつばちプロジェクト」花壇の設置、工作教室と、色々とご協力いただいてきました。

笠寺観音が恵方になる今年度、令和3年2月には、monzen亭のご協力により、1階展示ケース一杯に、笠寺の魅力を伝える「今年の恵方は笠寺観音!」展示が登場する予定です。お近くの方はぜひおいでください。

笠寺のまちポータルサイト(かんでらmonzen亭)  同 Facebook

☆笠寺観音に一番近い名古屋市南図書館のご紹介!

昭和39年5月1日、田中均一郎氏の寄付により名古屋で4館目の図書館として開館した、歴史ある館です。平成4年3月21日に隣接地に移転新築。昭和34年、この地域に未曽有の被害をもたらした伊勢湾台風の記憶を今にとどめ、未来に生かすための災害資料室「伊勢湾台風資料室」を併設しました。被災60年の令和元年度には、「防災コーナー」も新設しました。また、区人口の3割を占める高齢者のためのサービスに力を入れており、「認知症コーナー」を常設、関連の展示や事業をおこなっています。

Yよりひと言:まさか、笠寺が恵方の年、自分がここにいるとは…運命でしょうか。

名古屋市図書館HP 同 南図書館紹介ページ 同 伊勢湾台風資料室だより

伊勢湾台風資料室紹介動画

図書館総合展2020オンラインではこちらにも参加「全国の災害アーカイブ実施図書館」

〇そして令和4年(2022年)、恵方は「甚目寺観音」!!

四観音では唯一名古屋市外(あま市)にある甚目寺観音ですが、知名度は一番ではないでしょうか。あま市は旧七宝町、美和町、甚目寺町が平成22年に合併してできた市で、美和図書館から甚目寺観音は名鉄で2駅の距離がありますが、折に触れ展示紹介をしており、守山図書館での展示の際も、館収集の資料や、司書Nさん自ら撮影の写真を沢山ご提供いただきました。

☆甚目寺観音に一番近いあま市美和図書館のご紹介!

「あま市文化の杜」の中にあります。「図書館は本を仲立ちに、人と出会う場所。友は人生の宝物。本は皆さんの宝物」をモットーに、児童から郷土資料まで、多彩なサービスを提供しています。最近は、wikipediatownも継続的に実施し、郷土記事の充実を目指しています。

Yよりひと言:(株)リブネット[あまSL共同事業体]の指定管理館。館内あちこちに展示があり、毎週なにかの行事があり、ボランティアさんの活動も活発で、C館長のもと、魅力一杯の館です。入口には、地元の歴史や産業に関わる特別な展示をするケースがあります。

館長Cより:入口の特別展示ケースは地域の産業やワークショップとコラボした作品をご紹介しています。館内の展示は、背ラベルを工夫し、大人向けにも子ども向けにも、様々なテーマで行っています。最近では「トワイライトライブラリーカフェ」に合わせた「東海豪雨を知ろう」をテーマにした展示、子どもたちが大好きな「のりもの」の絵本を集合させた展示など、オリジナル背ラベル(背シール)もここにご紹介します。

          ここから動画をご覧いただけます➡ ♪♪♪オリジナル背シール♪♪♪ 

あま市美和図書館HP 同 twitter  同 facebook

〇時代は、図書館×地元TRIP!

長々とおつきあい、ありがとうございました。遠くに行か(行け)なくても、私たちの地元には、気軽に楽しめる様々の場所、沢山の魅力があります。そんな魅力を発見し、発信するのに、図書館はもってこいの場所と言えます。4観音図書館は、これからも地元の皆様と一緒に、地元TRIPの魅力を掘り起こしていきたいと思います。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

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